車内でアルコールセンサーの実験

今回はアルコールを検出できるというセンサーの実験を行ってみました。

以前、弊社でドライバーのアルコール検査のご相談を受けた事があり、色々と調べてみるとアルコール検出できるチップが有ることがわかりました。ラズベリーパイなんかと結線して使用する小さい基板なのですが、結線したりするのも面倒だしと放置していた所、最近になって製品としてアルコール検知ができるチップが載ったものが発売された様なので、とりあえず入手してどんなものなのか検証して見ることにしてみました。

現在市場ではドライバーのアルコール検知器が数多く販売されています。
その殆どすべてが、センサーに息を吹き掛けるものです。でも、ドライバーが出先で一杯やったらどうでしょうか? 誰かが見てるわけでもありませんし、ましてやドライバーが自らアルコール検査をするはずもありません。そこで車の車内のアルコール濃度が検知出来るのかを検証してみたいと思います。

先ずはオフィス内の空気を計ってみます。
概ね100前後の値を示しています。
そこで缶ビールのリップを空けて、リップの近くにセンサーを近づけると200~300程度の数値を示しました。そこで、ビールを飲んでみて吐息を吹きかけると一気に500程度まで数値が上昇します。確かに空気中のアルコールに反応している様です。

一応アルコールに反応する事が判ったので、実際に車を使った検証を行います。
先ずは、大人二人で普通に車で移動した場合の車内の数値を計ります。
エアコンを室内循環に設定し、窓を締め切って30分程度走行してみます。
最初100以下だった数値ですが、徐々に数値が上がり、最終的には180近くまでに上昇しました。
窓を開けて車内を換気した場合には100以下に下がります。
どうやら、呼吸によるガス成分に反応している様です。
再度窓を閉めて、車内の数値が上がった所で同乗者にビールを飲んで貰います。値は250近辺まで上昇します。
確かにアルコール成分が加わった事で値は上昇しました。しかしこのセンサー、アルコールだけに反応する訳では無いようです。
では、車内でタバコを吸ってみたらどうでしょう?
試しに締め切った車内で、同乗者にタバコを吸って貰いました。数値は驚きの500超えです。
機材がタバコに反応するであろうことは想像していましたが、500超えというのは中々の数値です。
アルコールを飲んだ場合に息を吹きかけるのとほぼ同じ数値が出るというのはちょっとした驚きでした。


結局の所、今回のセンサーでは空気の汚染度は測定出来るものの、その値は大気中のガス成分の量に反応する為、アルコールだけの検出には向かないという結果になりました。
オフィスや車内などの閉鎖環境での喫煙、アルコール濃度を測るという目的には使えるかもしれません。