乗用車からガソリン抜けるか試してみました

今回は乗用車からガソリンを抜き取るのはどうするのかを実験してみました。

在タイ企業様でドライバーのガソリン代金の水増し請求や、社用車からのガソリン抜き取り(燃料盗難)など燃料代に関わるお話を偶に耳にします。

日本の社会風土では、自分の会社の車からガソリンを盗むなどというのはちょっと考えられない話しなのですが、タイで運転手をしている人たちの給料レベルからすると、20リットル分の燃料代約500THBというのは、中々魅力的な額なのかもしれません。

さて、では実際にガソリンって抜き出せるのでしょうか?
車に興味が有る方ならご存知だと思うのですが、大型トラックでは燃料タンクが外部にむき出しで装着されていますから、蓋を開けて手動のポンプを使えば抜き出すのは容易で、作業場所となる駐車場さえあれば簡単になんとかなりそうです。

まぁ、それに備えてかタンクの蓋に南京錠を付けてる車両も偶にみかけたりもします。

問題は自家用車です。

まず自家用車のタンクは、リヤシートの下かトランクルームの床下、もしくはフロントシートの下(HONDAの特許だそうです)といった場所にあり、給油口からタンクへの距離が長いので、手動のポンプ(日本で灯油なんかを移し替えたりする時に使うアレです)では燃料タンクまで届きません。

更に、給油管の口径も車によっては手動ポンプのものより細いものも有るとか、車の横転時に燃料が逆流しないように管の途中に逆流防止弁(ワンウエィバルブ)が付いてるものがあるとか、そもそも盗難防止用に管の途中に金網みたいなものが入ってる車もあるとか(真偽不明)。

その様な事前情報が有ったので、一体全体自家用車からガソリンを抜くというのは何処でどうやるのかという疑問がありました。

この敷居の高さだと、トラックは兎も角、自家用車でのガソリン盗難って難しいのではないかと思っていたのですが。

結論から言います。

出来ます。

しかもお手軽に!。

事前の想定だと、ガソリンスタンドでやってくれるのではという事でしたが、前述の敷居の高さからホントにやってくれるのかが疑問でした。

そこでタイ人に相談したら、それなら自動車修理工場でしょうって話になりました。

確かに自動車修理工場なら、工具もノウハウもあるでしょうから納得です。

早速、自動車修理工場に出向いてガソリン抜き出せるか尋ねてみました。

”出来るよ、どれくらい抜くの?”

怪しい奴だと思われるのは嫌なので、一応テレマティクス機材開発のテストだと事情を説明して20リットル分抜き出す様にお願いしました。

見ていると、給油口なんか眼中ないという感じで作業が始まりました。

リヤシートを外して、タンクをむき出しにして、燃料ゲージを抜いて・・・・結局、燃料タンクからの抜き出しは出来ない様で、ボンネットを開けて燃料ポンプから抜き出す様です。

待つ事、数十分で約20リットル分のガソリン抜き取りが完了。

工賃は100バーツちょとでした。

20リットル分のガソリン代金が500バーツちょっとなので、このガソリンを自分の車に入れてしまえば、差し引き400バーツ位が儲けになる訳です。
これもタイの工賃が安いからペイするのであって、日本や欧米で同じ事やったら20リットル程度のガソリン代より工賃の方が高いこと請け合いです。
まさに東南アジアでならではというところ。

こんな事を実際にやってるかどうかは判りませんが、やる事は可能という結論になりました。